一緒にお散歩、手離さない、今は。-シガツ
12-05-2008



引き摺りながら、自分と、自分の思い通りの友達と二人だけで、二人だけのこの青空の路地を歩いた。
耳障りな音を立てず、立てさせないで、賑やかに。
歩いているうちに、引き摺っていた友達の体はなくなって、友達は左腕だけになった。
左腕の無い自分と、左腕だけの友達。

友達は動かなくなった。
友達は嘘を吐かなくなった。
友達は自分をたのしい気分にさせてくれなくなった。
友達は自分を酷く怯えさせ、不安な気持ちにさせなくなった。

ずっと前に広げたままの、床の上に散らかった会話を拾い集めて口に含む。頭の中で再生する。
自分は前とは違った返事をする。左腕だけの友達は、自分の理想通りの言葉を音も無く伝えてくれる。
遊ぼうと誘えば友達は嬉しそうにうんと頷くが、でもその手は自分の玩具を握ってはくれずに咲いたまま。
何で言うことを聞いてくれないんだ、と言葉を荒げて飲み込めば、友達は怯えながら謝るがそれでも従ってくれない。
苛々しながらその手に自身の玩具を握らせる。
熱を持った玩具に冷たい手を触れさせて、その上から自分の手で握り込んで温める。そのまま強引に動かして遊ぶ。
素直な言葉とは反対に、言うことを全く聞かない友達の手、咲いたまま裂けそうな指が自分と玩具の間で音を立てる。
指が変な方に曲がっても、そのまま無理矢理に続けても、気づかないでされるがままの自分の友達。

出すものを出してしまえば見えてくるのは目を逸らしていること反らしたいこと。
汚い床に寝転がった友達の左腕。咲いたまま蕾むことのない五本の指。汚れたまま固まった、自分のつくった寂び。
折り曲げるための隙間まで自分で汚してしまった残骸。剥がそうと必死になってもぼろぼろになるだけの友達の一部分。

自分のしてきたことを悔いて抱き寄せたら細くて短い指が取れて。
取れた指を付けようとしたら細くて長い隣の指も取れた。
思い通りにならないことに苛立ち壁にぶつけたら、長い指はみんな取れて穴に落ちた。
残った部分を大事にしようと、握り締めて眠ったら取れていて。
目覚めた時にはなくなっていた。


どうしてこんな思いをさせる。
自分勝手な苛立ちにこわい気持ちとさびしい気持ちを喰わせて乱暴に振舞う。
てのひらだった部品はばらばらに、腕も曲がるところが壊れる音に負けて取れてしまった。

自分は友達を隅々まで自分で汚し、壊し、壊し尽くし、幾度後悔しても繰り返すばかり。
自分のしてしまったこと、していたこと、していること、目を逸らしていることは全て理解していたけれど。
自分はおかしいのだろうと気づいてはいたけれど、どうするのが良いのか分からなかった。
結局は、自分勝手に振る舞って、全てを壊し尽くし目を逸らせなくなってから、目が覚める。
罪悪より、孤独を強く感じてしまう。
自業自縛。受け入れることが出来ず、暗闇に、自分を塗り潰すことも怖くて出来なかった。